作品紹介文

これは女川につづく線路です。本当の線路は被災によって壊れてしまいましたが、今また新しい線路がのびようとしています。 この写真のなかの線路はいろんなところへとつながっている、町に自然の再生力を運ぶ生命線のようなものです。女川の町を囲む山、豊かな海の幸を育む海、遠くにあるたくさんの町や街。線路は文化や仕事や人々を運んできて、町の土台をつくってくれます。 町がたとえ一度なくなっても、線路があればまた町は生まれ変われるし、そしてその土台には昔と同じ活力が走っているのだと思います。 この写真は2013年、女川に一ヶ月間滞在したときにつくりました。女川の当時を写した写真の上に、やはり女川に咲いていた花びらをあしらい、過去と未来をつなげようという気持ちをこめて（地元の人たちにもすこし協力してもらいながら）線路をつくりました。女川の町がどう変わっていくのか、これからも見守っていきたいと思います。