どこへ

作品紹介文

「 どこへ 」

嶋脇 佑

震災から3年が経って いろんなものが元通りになってきた。 街並みや日々の暮らし。 もちろん学校生活も元通り。 合わせなければ駆逐される世界 ちゃんと元通り。 その世界で過ごすわたしの日常 ちゃんと元通り。 一度はぐちゃぐちゃになった世界 わたしの目の前にまた姿を現して わたしの所在を問いただしてくる 押し出す過去、迫り来る未来。 居場所を求めて、今をもがき続ける 復興復興と声高らかに歩みを進める社会のなかで わたしは今日も問う わたしはどこへ