あの頃と今

作品紹介文

「 あの頃と今 」

高橋 香

宮城に帰省した春休み、父親と二人旅で田代島に行った帰りのこと。 窓からは日本製紙が見えてきたので降りる準備をしていると、一人の男の子が海を見つめているのが目に入りました。その姿を見て私があのくらいの時はどんな気持ちで海を見ていたのだろう。20歳になった今はどんな思いで海を、石巻を見ていたのだろうという思いが生まれました。大人になりカメラを通して石巻を見ていた今、たまにはカメラを置いて自分自身の目で見つめてみることも忘れないようにしなければと見知らぬ少年に教わった春でした。