PHOTO・NO・MAKI FESTIVAL

フォトノマキフェスティバルでは、日本を代表する写真家である立木義浩氏、50年に渡り石巻地域を撮り続け写真集「北上川」を上梓した橋本照嵩氏、世界中の国々を訪れ、海の中から生き物、虹、風景、星空まで、地球全体をフィールドに撮影活動を行っている高砂淳二氏、気鋭の女性写真家田頭真理子氏を迎えワークショップ形式のフォトセッションを実施します。

WORKSHOP REPORT

Session1 「女川の海を撮ろう!」
講師:高砂淳二
日時:2020年2月16日(日)、17日(月)
協力:石巻ダイビンサービスハイブリッジ

東日本大震災の行方不明者捜索活動は継続されています。宮城県だけでも1217名の不明者の方がおられ、海の中という特殊な場所に、石巻ダイビンサービスハイブリッジの高橋さんはじめ、ダイバーたちによる捜索が定期的に続けられているのです。
石巻を支える女性たちとの撮影ワークショップ

今回の撮影ワークショップでは「海の中に遺っている意味ってなんだろう」と震災と自分の関係や、自然と自分の関係を考え直すきっかけになるワークショップだと位置付けてくださった高砂淳二さんをお迎えして行いました。
2船に乗り込んで、ダイバーたちがそれぞれに見た海は、人懐っこく近寄るアイナメや、彩どりの美しい色彩。そしてかつて地上にあった物と自然界の融合でした。9年の時間は過ぎようとも人の心の時間はそれぞれです。ゆっくりと自然に心が溶けゆくまで、海が抱擁してくれているのかもしれないなと思いました。
石巻を支える女性たちとの撮影ワークショップ
東北の厳寒の冬、高砂氏は動きにくいドライスーツを着て、重たいタンクを背負い、大きな水中カメラとライトを手に繰り返し繰り返し、水中に入っていきました。何度も何度も。海の中が震災から9年をむかえようとする今、どのようになっているのか想像することも難しいのが現状です。私たちの大多数が見た事ない海の中の風景を冷静に見て、撮影しておられるように感じました。

石巻を支える女性たちとの撮影ワークショップ
潜った港は女川の駅から少し離れた竹浦。震災前には64軒の家々が港近くにあり、人の暮らしがありました。津波は、右に渦を強く巻いたそうで、右側の家は全壊。港の左側の家が1軒のみ残る大きな被害でした。

石巻を支える女性たちとの撮影ワークショップ
2日間を通じて、港から見える弁天島周辺、竹浦グロット(グロットとは岩の壁や洞窟のような場所のこと)と、湾内に今なお、海に遺るものを撮影することができました。それは、誰かのもので、確かに人の使っていたもの。
確かにあるものを写真に撮る事ができました。
「この海の今の状況を見て伝えてもらえることを嬉しく思います。」と地元ダイバー高橋さん。今回ご参加いただいたダイバー達の熱心な海への思いは、大きな輪を生み、震災のことや海洋環境のことについて熱いディスカッションと情報交換を行いこれからの女川の海の美しさを伝えていこう!と熱い時間を過ごすことができました。
石巻を支える女性たちとの撮影ワークショップ

Session 1)女川の海を撮ろう!

講師:高砂淳二

日時:2020年2月16日(日)、17日(月)

協力:石巻ダイビンサービスハイブリッジ

高砂淳二