Session1 「みんなで写そう!仙石線」
講師 中井精也
日時 2015年5月30日(土)
東日本大震災から4年と2ヶ月。
2015年5月30日、仙石線全面復旧と、東北ラインの開通が、それぞれの街で、それぞれの線路脇の駅でたくさんの人たちに囲まれて開通しました。
前日より心配されていた天気ですが、ワークショップ開催時には晴れ間もみえてくる中、中井精也先生が石巻に駆けつけてくださいました。
開通したばかりの電車に乗る人たちの姿がとても印象的でした。朝8時30分、陸前小野駅に集合したのは、申し込み多数から参加のチャンスをつかみ取った30名の方々。フォトノマキフェスティバル2015のワークショップの始まりは「みんなで写そう!仙石線」なんと、中井精也先生と一緒に当日に開通した仙石線の撮影会を行いました。
中井先生は、流し撮りのテクニック、実際に電車の長さ、背景、場所などをみてどこでシャッターチャンスとなるのか、など具体的なご指導のもとの撮影会となりました。中でも参加者の方と一緒に撮影してくださった、中井先生の色ともいえるふんわりやさしい前ボケ写真の撮影の仕方には、たくさんの参加者の方が積極的にアドバイスをもらっていました。
また、参加の皆さんの撮った写真をその場で見て、一人一人に丁寧なアドバイスを送ってくださいました。また、自身が撮影した写真もすぐに見せてくださったことには参加の皆さんも大喜びでした。どう撮りたいかを考える。このことを教えてくださいました。
午後からは、場所を専修大学に変えてのトークショーの開催でした。会場には中井先生のファンをはじめ、100名程の方々が集まり石巻で行われる中井精也先生の貴重な話しに耳を傾けました。仙石線開通当日のため、このフォトノマキフェスティバルのために作成されて写真のスライドショーを始め、震災後、初公開となった写真も何点か用意していただき熱気に溢れた講演会となりました。また、仙石線の具体的な撮影ポイントのご紹介は、高校生はじめ多くの参加者の方の参考になったことと思います。そして、中井先生の東北ローカル線との出会い、そして原点ともなる三陸鉄道のお話しには、胸が熱くなりました。
「希望を感じるように撮りたい。」と中井先生は言われていました。鉄道そのものの魅力を見事にとらえた写真には正直驚きました。人との出会いが中井先生の写真の魅力を深くしていた。
この日撮影をしていただいた石巻での一枚は、多くの人が待ち望み、震災後長く閉ざされた線路の復旧を記念する貴重な一枚として、石巻市のイベントにて写真展覧会を開催することが決定。いまは、学生たちがしばらく見かけなかった時間帯に、それぞれの街を歩いている。きっと、線路の開通に伴う電車の時刻だろう。中井先生が「鉄道は、平和な日常の象徴的なものだ」と話された意味が少しわかる気がしました。